西洋医学と東洋医学
西洋医学:「木を見て森を見ず」の対処療法
「木」に注目する医学
西洋医学は、特定の症状や病気そのもの(=木)に焦点を当てます。
例えば:
- 下痢をしている → 下痢止めを処方
- 皮膚に炎症がある → 炎症を抑える薬を塗る
- 熱がある → 解熱剤を与える
特徴:
- 目に見える症状を素早く抑える
- 原因となる細菌やウイルスをピンポイントで攻撃
- 検査数値や画像診断など、客観的なデータを重視
- 即効性があり、緊急時には非常に有効
でも「森を見ていない」とは?
- なぜその症状が出たのか、体全体のバランスは?という視点が弱い
- 症状は抑えたけど、根本原因はそのまま…ということも
- 同じ下痢でも、その子の体質や生活環境までは考慮しにくい
東洋医学:「木ではなく森を見る」
「森」全体を見る医学
東洋医学は、体全体のバランスや関係性(=森)を重視します。
例えば: 下痢をしている愛犬を見たとき…
- なぜ下痢になった?胃腸が冷えている?ストレス?
- 他の症状は?食欲は?舌の色は?元気はある?
- 季節や生活環境は?普段の食事内容は?
- この子の体質は?もともと冷えやすい?熱がこもりやすい?
特徴:
- 症状は「体からのメッセージ」として捉える
- 体全体のバランスを整えることで、根本から改善を目指す
- 一つの症状だけでなく、その子の全体像を見る
- 予防や体質改善を重視
- 即効性は劣ることもあるが、再発しにくい体づくりを目指す
具体例で比較してみると:皮膚炎の愛犬の場合
西洋医学的アプローチ(木を見る)
- 皮膚の炎症を検査で確認
- 抗炎症薬、抗生物質、ステロイドなどで炎症を抑える
- 痒みを止めて、傷を治す
- ✅ 早く症状が改善する
- ❌ 薬をやめるとまた再発…なぜ?
東洋医学的アプローチ(森を見る)
- なぜ皮膚炎になった?を考える
- 体に熱がこもっている(湿熱)?
- 胃腸が弱って湿が溜まっている?
- 血の巡りが悪い(瘀血)?
- ストレスで気が滞っている?
- その子の体質、季節、食事、生活環境すべてを考慮
- 体全体のバランスを整える食材や生薬を選ぶ
- ✅ 時間はかかるが、根本から体質が変わる
- ✅ 再発しにくくなる
どちらが良い?
実は、どちらも大切なんです!
理想的な組み合わせ:
- 緊急時・急性症状 → 西洋医学で素早く対処
- 慢性的な問題・体質改善 → 東洋医学でじっくり根本から
- 予防 → 東洋医学(薬膳など)で日常的にケア
薬膳での「森を見る」実践例
愛犬にかぼちゃを与えるときも:
木だけ見る考え方: 「栄養があるから与える」
森を見る考え方:
- うちの子は冷え体質?熱体質?
- 今の季節は乾燥している?
- 最近胃腸の調子はどう?
- 他の食材とのバランスは?
👉 こうして体全体を見ることで、その子に本当に必要な食材が選べるんですね。
まとめると:
- 西洋医学 = 症状という「木」を素早く処理する
- 東洋医学 = 体全体という「森」のバランスを整える
両方の良さを理解して、愛犬のために使い分けられると最高ですね!

