帰経
五性/五味
平/苦甘
   愛犬の体を潤す「アスパラガス」

シャキッとした食感が特徴のこの緑の野菜が、実は愛犬の体を潤し、余分な熱を冷ましてくれる優秀な食材なんです。
アスパラガスは、体を潤し、熱を冷まし、余分な水分を排出し、毒素を排出してくれる、とてもバランスの良い食材です。
平性だからどんな体質の愛犬にも使いやすく、肺に働きかけて皮膚や被毛の健康もサポートしてくれます。そして、抗癌作用という心強い効能も。
その緑色の茎には、愛犬の健康を守る力がぎゅっと詰まっています。

   帰経について

アスパラは、肺に作用する食材です。
肺は呼吸だけでなく、皮膚や被毛の健康も司っています。小松菜は肺を潤すことで、乾燥による咳や皮膚のカサつきをケアしてくれるんです。

   五性について

アスパラガスは「平性」です。
平性の食材は、体を温めることも冷やすこともなく、穏やかに作用します。だから、どんな体質の愛犬にも安心して使える万能選手なんですね。
体が冷えやすい子にも、熱がこもりやすい子にも対応できる。これが平性食材の強みです。日常的に取り入れやすく、体のバランスを崩しにくいのが嬉しいポイント。

   五味について

アスパラガスは「苦味」と「甘味」の両方を持ちます。
苦味には、こんな働きがあります。

熱を冷ます(清熱)
体を乾燥させる(燥湿)
心を落ち着ける

甘味には、こんな働きがあります。

体に栄養を補給する
脾の働きを助ける
緊張を和らげる

この二つの味が組み合わさることで、アスパラガスは「熱を冷ましながら潤いも補う」という絶妙なバランスを実現しているんです。苦味だけだと体を乾燥させすぎますが、甘味がそれを和らげてくれるんですね。

   効能について

体の奥深くから潤いを満たす
体の根本的な潤いである「陰」を補う働きです。
中医学では、体は「陽」と「陰」のバランスで成り立っています。陽は温める・動かすエネルギーで、陰は冷やす・潤すエネルギー。現代の生活では、ストレスや加齢、空調などで陰が不足しがちなんです。
陰が不足すると、こんな症状が出ます。

皮膚や被毛の乾燥
目の乾き
口が渇きやすい
落ち着きがない
手足が熱い感じがする

アスパラガスの滋陰作用で、体の深いところから潤いを補充。シニア犬や、乾燥しやすい体質の愛犬には特におすすめです。

体液を生み出して喉を潤す
体の水分、特に「津液(しんえき)」を生み出す働きです。
津液というのは、体を潤す水分のこと。唾液や涙、関節液なども含まれます。津液が不足すると、喉が渇いたり、目が乾いたり、便が硬くなったりします。
特に夏場や運動後、病後の愛犬は津液が消耗しやすい。アスパラガスの生津作用で、体の中から水分を補給できます。水を飲んでもすぐ喉が渇く、という愛犬には試してほしい効能ですね。

体の余分な熱を優しく冷ます
体にこもった余分な熱を冷ます働きです。
熱がこもると、こんな症状が現れます。

皮膚が赤い
よだれが多い
水をよく飲む
目が充血している
落ち着きがない

アスパラガスのこの作用は穏やか。平性なので、冷やしすぎることなく、ちょうどいいバランスで熱を取り除いてくれます。炎症体質の愛犬や、皮膚トラブルが多い子にも適していますよ。

余分な水分を排出してスッキリ
体に溜まった余分な湿気や水分を排出する働きです。
中医学では「湿邪(しつじゃ)」といって、余分な水分が体に溜まると、さまざまな不調を引き起こすと考えます。

むくみやすい
体が重だるい
軟便や下痢
皮膚がジメジメする

アスパラガスは利尿作用もあって、余分な水分を尿として排出してくれます。梅雨時期や湿度が高い日、むくみやすい愛犬には心強い味方です。

体内の毒素を排出してクリアに
体の中に溜まった毒素を排出する働きです。
現代では、食品添加物や環境汚染物質など、体に負担をかけるものが多いですよね。愛犬の体内にも、知らず知らずのうちに毒素が蓄積していきます。
アスパラガスのこの作用は、肝臓の働きをサポートして、体の浄化を助けてくれます。皮膚トラブルが多い子、アレルギー体質の子にも適した効能。定期的に取り入れることで、体の中からキレイになれるんです。

健康な体を守る力をサポート
体の中では、日々いろんな細胞が生まれ変わっています。でも、時にはその流れが乱れて、余分なものや古いものがうまく整理できないことも。そんなとき、自然の力がそっと寄り添ってくれます。体のめぐりを整え、いらないものを外に出しやすくすることで、体をすっきり保ち、健康を守る助けになります。細胞の元気を保ち、コツコツと体を整えていくイメージです。

   薬膳とは別の角度から…

栄養面での特徴

葉酸が豊富で、細胞の新陳代謝をサポート
アスパラギン酸がエネルギー代謝を助け、疲労回復に効果的
ビタミンA、C、E、Kなど、ビタミン類が多彩
食物繊維が腸内環境を整える
ルチンが血管を強化する

効能グループ

調理方法

1

煮る/蒸す/焼く(焼く場合は蒸し焼き推奨)

ポイント

ホワイトアスパラよりグリーンアスパラの方が栄養が豊富です。
下痢や皮膚に痒みがある場合は、控えた方が良いです。

主な栄養素(分量 100 g あたり)

成分名
※若茎 生の場合
 
カロリー
21kcal
たんぱく質
2.6g
カリウム
270mg
リン
60mg