効能グループ

うるち米(白米・はくまい)

帰経
脾、胃、肺
五性/五味
平/甘
   白米で愛犬の元気とお腹を優しく整える

毎日のごはんの基本である白米。実は中医学薬膳の世界では、愛犬の体を根本から支えてくれる優秀な食材なんです。「主食だから当たり前」と思われがちですが、白米には5つの大切な薬膳効能が詰まっています。
中でも注目したいのが、3つの主要効能。まず、体のエネルギーである気を補い、元気の源を作り出してくれる。次に、消化吸収を担当する脾の働きを健やかに保ち、食べたものをしっかり栄養に変えてくれるんです。そして、体の中心、つまりお腹を補い、全身のエネルギーの土台を整えてくれる。

この3つの働きが組み合わさることで、白米は愛犬の体力、消化力、そして生命力の基礎を作ってくれる。シンプルだからこそ、毎日の積み重ねで大きな力になる。それが薬膳における白米の役割なんですね。

   帰経について

白米は脾・胃・肺の3つに働きかけます。脾と胃は消化器系の中心で、食べたものをエネルギーに変える臓器。肺は呼吸を司り、全身に気を巡らせる臓器です。この3つを整えることで、体の基礎が作られるんです。

   五性について

白米は「平性」で、体を温めも冷やしもしない、最も穏やかな性質。どんな体質の愛犬にも、どんな季節にも使えます。これが薬膳の基本食材として重宝される理由なんですね。

   五味について

白米は「甘味」を持ちます。甘味は体を穏やかに補い、特に脾胃に作用して、消化吸収の力を高めてくれる。愛犬にとって最も受け入れやすい、優しい味わいです。

   効能について

胃腸の働きをととのえる
脾の働きを健やかに保つことを意味します。脾は食べたものを消化吸収して、気血に変える、体のエネルギー工場なんです。
脾の働きが弱ると、食欲不振、軟便、下痢、疲れやすさ、痩せ、毛艶の悪さといった症状が現れます。白米のこの作用は、こうした消化器の不調を根本から改善してくれる。
胃腸が弱くて下痢をしやすい愛犬、食が細くてなかなか体重が増えない子、シニア期に入って消化力が落ちてきた愛犬、病後で消化器が弱っている時。こういった場面で、白米は消化器系を優しく整えてくれる基本食材といえるでしょう。

胃の調子をやさしく整える
胃の働きを調和させ、整えることを指します。胃は食べ物を受け入れて消化する、消化器系の入り口なんです。
胃の調子が悪いと、食欲不振、胃もたれ、吐き気、嘔吐、胃の不快感といった症状が現れます。白米のこの作用は、胃を優しく落ち着かせ、その働きを正常に戻してくれる。
ストレスで食欲が落ちやすい愛犬、胃が弱くて吐きやすい子、食べムラがある愛犬。白米は胃を調和させて、安定した食欲を取り戻す手助けをしてくれるでしょう。

下痢を止める
下痢を止める働きです。下痢が続くと、体力が落ち、栄養も吸収できず、愛犬の体に大きな負担がかかります。
白米は胃を健やかに保つことで、腸の働きを整え、下痢を穏やかに止めてくれる。強制的に止めるのではなく、消化器の働きを正常に戻すことで、自然に便が整ってくるんです。
胃が弱くて下痢をしやすい愛犬、ストレスで便が緩くなりやすい子、病後で腸の調子が悪い時。白米のおかゆは、昔から「お腹に優しい」と言われる通り、消化器を整える基本食なんですね。

体を動かすエネルギーを補う
体のエネルギーである「気」を増やす働きです。中医学では、気は生命活動すべての原動力と考えられているんです。
気が不足すると、疲れやすい、元気がない、動くのを嫌がる、息切れしやすい、食欲不振、声が小さいといった症状が現れます。
白米は脾胃に働きかけて、食べたものから気を作り出す力を高めてくれる。さらに、白米自体が気を補う性質も持っているので、二重の効果で愛犬の元気を底上げしてくれるんです。
運動量が多い活発な愛犬、老化で体力が落ちてきたシニア犬、病後で体力を回復させたい時。白米は毎日の積み重ねで、愛犬の生命力を支えてくれる基本食材といえるでしょう。

体の中心から元気を支える
体の中心、つまりお腹を補う働きです。中医学では、お腹は脾胃が位置する大切な場所。ここが弱ると、全身のエネルギーが不足してしまうんです。
お腹の力が弱ると、食欲不振、下痢、疲れやすい、元気がない、内臓が下がる感じ、といった症状が現れます。
白米のこの作用は、お腹の中心を穏やかに補い、脾胃の働きを高めてくれる。お腹の力が上がれば、食べたものがしっかりエネルギーになり、全身に活力が戻ってくるんです。
お腹が弱い愛犬、食が細くて体重が増えにくい子、疲れやすい愛犬、シニア期で消化力が落ちてきた子。白米はお腹の中心から元気を取り戻す手助けをしてくれる食材なんですね。

   薬膳以外の視点から…

白米はエネルギー源となる炭水化物に加え、ビタミンB群なども含み、日常的な体力維持を支える栄養源として重宝されます。消化がよく、愛犬の負担になりにくい点も特徴です。

効能グループ

調理方法

1

通常通り、炊飯器で炊いたものを使うか、または、おじややお粥を炊く要領で利用する。お水を多めにすると、水分が取れて良いです。

ポイント

うるち米は「平」の性質を持つため、どんな食材とも相性が良いのが特徴です。体を温める食材と組み合わせれば冷え性の愛犬に、体を冷ます食材と組み合わせれば暑がりの愛犬に、それぞれ適した食事を作ることができます。おかゆにすると特に脾胃の働きを補いやすく、食欲不振や回復期の栄養補給に適しています。
例えば、消化不良気味の愛犬には、うるち米と消化を助ける大根を組み合わせたり、元気がない愛犬には、うるち米と体を温める鶏肉を合わせたりすると効果的です

注意点

消化力が弱いコは、水分を多めに加えて柔らかく炊いたり、おかゆ状にして消化しやすくすると良いです。愛犬の体重や活動量、他の食事とのバランスを考慮して調整してください。

主な栄養素(分量 100 g あたり)

成分名
カロリー
342 (kcal)
たんぱく質
6.1g
脂質
0.9g
炭水化物
77.6g
ビタミンB1
0.08mg
【参考文献】
・一般社団法人 日本中医食養学会(2019)『食症状の知恵 薬膳食典 食物性味表』株式会社 燎原書店発行.
・文部科学省.“日本食品標準成分表(八訂)増補2023年”.
※その他、主な参考文献はこちら