イライラと消化不良を解消する緑のヘルパー
ピーマンは中医学では、体の「気」の流れを整える代表的な食材として重宝されています。現代の私たちにとって身近な野菜ですが、その薬膳効果は本当に奥深いものがあります。
愛犬が最近イライラしている、食欲にムラがある、なんとなく元気がない…そんな時にピーマンが力を発揮してくれるかもしれません。特に、ストレスを感じやすい愛犬や、消化不良を起こしやすい子には特におすすめの食材なんです。
帰経について
ピーマンは「肝」「心」「胃」「腎」という4つの重要な臓器に働きかける食材です。
肝への働き
中医学での「肝」は、現代医学の肝臓とは少し違います。感情のコントロールや気の流れを司る臓器と考えられています。愛犬がイライラしやすかったり、ストレスを感じている時に、肝の働きを整えることが大切なんです。
心への働き
「心」は血液の循環だけでなく、精神活動も司ります。愛犬の心を落ち着かせ、精神的な安定をサポートしてくれます。
胃への働き
消化器系の中心である胃に働きかけることで、愛犬の食欲や消化機能を整えてくれます。
腎への働き
生命力の根本である腎に作用し、愛犬の元気の源をサポートします。
五性について
ピーマンは「平性」です。これは体を極端に温めることも冷やすこともなく、バランスを保ってくれるということ。だから、どんな体質の愛犬にも比較的安心して与えることができるんです。夏の暑い日でも、冬の寒い日でも、季節を選ばずに使えるのがピーマンの良いところ。体質的に熱がこもりやすい愛犬にも、冷えやすい愛犬にも優しく作用してくれます。
五味について
ピーマンは「辛甘味」を持ちます。
辛味には、辛味には、体のエネルギー(気)の流れをスムーズにして、血の巡りをよくし、体の表面から、こもった熱や冷え、湿気を追い出します。さらに体を温めて汗を出し、余分なものを外に流してくれます。
甘味には、体の余分な熱を取り除き、湿気を乾かす働きがあります。体や心のこわばりをほぐして、リラックスさせ、痛みをやわらげます。弱っている体や疲れがたまっている時には、元気を補い、胃腸の調子を整えて働きを良くします。そして、体のエネルギーをしっかりと満たしてくれます。
効能について
ピーマンの最も代表的な効能が「気の巡りをスムーズにする」です。「気」とは、体を巡るエネルギーのようなもの。この気がスムーズに流れていないと、愛犬はイライラしたり、食欲不振になったりします。ピーマンを適度に与えることで、滞った気の流れを改善し、愛犬の心身のバランスを整えてくれます。散歩から帰った後に何となく落ち着かない愛犬や、環境の変化でストレスを感じている子には特におすすめです。
心の煩わしさや不安感を取り除く効能のことです。愛犬も私たち人間と同じように、時にはイライラしたり、落ち着かない気持ちになることがあります。
新しい環境に慣れない、他の犬との関係でストレスを感じている、雷や花火の音が苦手…そんな愛犬の心を優しく鎮めてくれるのが、ピーマンの効能なんです。
中医学で「肝」は感情のコントロールを司る臓器。肝の働きが乱れると、愛犬は怒りっぽくなったり、情緒不安定になったりします。この効能により、愛犬の感情の波を穏やかにし、精神的な安定をもたらしてくれます。普段は大人しいのに急に攻撃的になる、または逆に極端に怖がりになるような愛犬には、肝の働きを整えることが大切です。
胃の働きを和やかに整える効能です。愛犬の食欲不振や消化不良、お腹の調子が悪い時に力を発揮します。
ピーマンの優しい辛味と甘味が胃腸を刺激し、消化機能を活性化させてくれます。食事の時間が不規則だったり、ストレスで食欲が落ちている愛犬には、特に有効な食材と言えるでしょう。
薬膳以外の視点から…
ピーマンはビタミンCが豊富です。愛犬の免疫力向上や、美しい被毛の維持にも貢献してくれます。また、β-カロテンも豊富で、目の健康や皮膚の調子を整える効果も期待できます。食物繊維も適度に含まれているため、愛犬の腸内環境を整えるのにも役立ちます。