帰経
肺、脾、腎
五性/五味
平/甘
   ネバネバパワーで愛犬を元気に

長芋は、中医学薬膳の世界では「山薬(さんやく)」と呼ばれ、愛犬の健康を支える超優秀な薬膳食材です!
長芋は「平性・甘味」という、とてもバランスの良い性質を持つ食材です。体を温めすぎず、冷やしすぎない穏やかな性質なので、どんな愛犬にも安心して与えることができるんですね。
特に注目したいのが、長芋の幅広い効能。多くの素晴らしい働きを持っています。

特に注目すべきは、その穏やかで優しい性質です。体に負担をかけることなく、じっくりと愛犬の体質改善をサポートしてくれるので、子犬からシニア犬まで安心して与えることができます。消化が良く栄養価も高いため、体調を崩しやすい愛犬や、体力をつけたい愛犬には特におすすめの食材です。
長芋は、まさに「食べる薬」。愛犬の基礎体力向上から、呼吸器ケア、消化機能改善、アンチエイジングまで、幅広い健康サポートが期待できるんです。

   帰経について

長芋は「肺」「脾」「腎」という、愛犬の健康にとって極めて重要な3つの臓器に帰経します。

  肺への働き

中医学でいう「肺」は、呼吸だけでなく皮膚や被毛の健康も司っています。長芋は肺を潤し、乾燥から守ってくれるんです。咳が出やすい愛犬や、被毛がパサつきがちな子には特におすすめですよ。秋から冬にかけての乾燥する季節には、内側からしっとりとしたケアができます。

  脾への働き

「脾」は消化機能全般を指します。食べ物を栄養に変える大切な働きをしているんですね。長芳は脾の機能を高めることで、愛犬の食欲を増進させ、栄養の吸収を良くしてくれます。食が細い子や、お腹を壊しやすい子の体質改善にも役立ちますよ。

  腎への働き

中医学の「腎」は、生命力の源とされる重要な臓器。成長、発育、生殖、老化に深く関わっています。長芋は腎の機能をサポートすることで、愛犬の基礎体力を向上させ、老化のスピードを緩やかにしてくれるんです。シニア犬には特に積極的に取り入れたい食材ですね。

   五性について

長芋は「平」という性質を持っています。
「平」というのは、体を温めすぎず、冷やしすぎない、ちょうど良いバランスを保つ性質のことです。これがどれほど素晴らしいかというと、季節を問わず、どんな体質の愛犬にも安心して与えられるということなんです。

夏の暑い日でも体を冷やしすぎることがなく、冬の寒い日でも適度な温かさを保ってくれる。まさに年中使える理想的な薬膳食材と言えるでしょう。
体質的に熱がこもりやすい愛犬にも、冷えやすい愛犬にも、どちらにもやさしく作用してくれるんですね。薬膳初心者の飼い主さんには、こういう「平」性の食材から始めることをおすすめします。失敗が少なく、安心して続けられますよ。

   五味について

長芋は「甘」味を持っています。
中医学における「甘」味は、単に甘いという意味ではありません。体を滋養し、緊張を和らげ、調和をもたらす働きがあるんです。
甘味には体を補う作用があります。疲れた体にエネルギーを与え、不足している栄養を補ってくれるんですね。元気がない愛犬や、病後の回復期には特に有効です。

ストレスや緊張を和らげる働きもあります。神経質な愛犬や、環境の変化に敏感な子には、心を落ち着かせる効果が期待できますよ。

他の食材との相性も良く、薬膳料理全体のバランスを整えてくれます。複数の食材を組み合わせる時に、長芋を加えることで全体の調和が取れるんです。
この甘味の特性により、長芋は愛犬の体と心、両方を優しく包み込むように作用してくれます。

   効能について

消化機能を根本から整える
脾の働きを健やかにするという意味です。
愛犬の消化不良や食欲不振、軟便などの症状は、多くの場合、脾の機能低下が原因。長芋の健脾効果は、これらの根本的な解決をサポートしてくれるんです。
食が細くて心配な愛犬や、お腹が敏感な子には、継続的に取り入れることで体質改善が期待できますよ。

肺を潤して呼吸器を守る
肺を養い潤すという意味です。
乾燥する季節になると、咳をする愛犬が増えますよね。これは空気の乾燥により、肺や気管支が刺激を受けるから。長芋の養肺効果は、肺に潤いを与えることで、こうした乾燥による不調を予防・改善してくれるんです。
また、中医学では肺と皮膚は密接な関係があるとされています。肺が潤うことで、愛犬の被毛や皮膚の健康状態も改善されるんですよ。毛艶が悪い、皮膚がカサカサする、そんな悩みにも内側からアプローチできます。
呼吸器系が弱い愛犬や、アレルギー症状で咳が出やすい子には、特に長期的に取り入れることをおすすめします。

腎機能をサポートして生命力アップ
腎の機能を補い強化するという意味です。
中医学における腎は、西洋医学の腎臓だけでなく、副腎や生殖器系、そして生命力の源である「精」を蓄える場所とされています。長芋の補腎効果は、これらの機能を総合的にサポートしてくれるんです。
具体的には、基礎代謝の向上、免疫力の強化、老化のスピードを緩やかにする、といった効果が期待できます。「最近元気がない」「疲れやすくなった」「毛色が薄くなった」そんな症状は、腎の機能低下のサインかもしれません。
特にシニア犬には積極的に取り入れたい効能ですね。若い愛犬でも、成長期や妊娠・授乳期など、体力を多く消耗する時期には有効ですよ。

生殖機能と生命エネルギーを高める
生命の根源である「精」を益すという意味です。
「精」とは、中医学で生命活動の根本となるエネルギーのこと。生殖機能、成長発育、免疫力などに深く関わっています。長芋の益精効果は、この大切な「精」を補充し、愛犬の生命力を根本から高めてくれるんです。
繁殖を考えている愛犬には、雄雌問わず有効。また、成長期の子犬の健やかな発育をサポートしたり、病気やケガからの回復を早めたりする効果も期待できます。
「なんとなく元気がない」「病気をしやすくなった」そんな時は、精の不足が原因かもしれません。長芋で内側からしっかりとエネルギーチャージしてあげましょう。

全身の気を巡らせて活力アップ
体内の気を補うという意味です。
中医学でいう「気」は、生命活動を支える根本的なエネルギー。血液の循環、臓器の働き、免疫機能など、あらゆる生命活動に関わっています。気が不足すると、愛犬は疲れやすくなり、食欲も落ち、病気にもかかりやすくなってしまうんです。
長芋の補気効果は、この重要な気を補充し、愛犬の全身に活力を与えてくれます。「散歩を嫌がるようになった」「すぐに息が上がる」「寝てばかりいる」そんな症状があったら、気の不足のサインかもしれません。
継続的に長芋を取り入れることで、愛犬の基礎体力が向上し、いきいきとした毎日を取り戻せるはずですよ。

漏れ出るものを止める
体の中で緩んでしまった部分を引き締めて、必要以上に出てしまうものを止める働きのことです
軟便・下痢の改善。収渋作用の最も分かりやすい効果がこれ。腸の働きが活発になりすぎて、水分の吸収が追いつかない時に、長芋が腸の動きを適度に調節してくれます。
頻尿の改善。必要以上にオシッコが出てしまう愛犬にも、収渋作用が膀胱の働きを整えてくれることがあります。
よだれが多い時のサポート。興奮したり緊張したりして、よだれが止まらない愛犬の症状緩和にも役立ちます。

   薬膳とは別の角度から…

長芋は薬膳効果だけでなく、栄養学的にも愛犬にとって優秀な食材です。
消化酵素が豊富 長芋にはアミラーゼ、ウレアーゼなどの消化酵素がたっぷり。これらは食べ物の消化を助け、胃腸への負担を軽減してくれます。シニア犬や消化機能が弱い愛犬には特に有効ですね。
ビタミン・ミネラルバランス ビタミンB1、C、カリウム、食物繊維など、愛犬の健康に必要な栄養素がバランスよく含まれています。
低カロリー・高栄養 カロリーは控えめなのに栄養価が高く、肥満が気になる愛犬にも安心して与えられます。

効能グループ

調理方法

1

食べやすい大きさに切る

2

切ったものを鍋に入れたっぷりの水を入れ、茹でます。(お湯が沸いてから1~2分加熱)

3

流水で流し、ぬめりを取ります。おじや等、別のものと煮込む場合、この時点のものを利用します。

ポイント

シュウ酸を含む食材なので、結石になりやすいコ等は、二度茹でして使う事をおススメします。
山芋は消化が良いとはいえ、食物繊維も豊富なので、一度にたくさん与えると軟便の原因となる場合があります。適量を心がけてくださいね。

主な栄養素(分量 100 g あたり)

成分名
カロリー
64kcal
たんぱく質
2.2g
脂質
0.3g
炭水化物
13.9g
カリウム
430mg
ビオチン
2.2μg
食物繊維
1.0g