帰経
肝、腎、脾、胃
五性/五味
寒/甘鹹
   体の熱をやさしく整えるアサリの薬膳力

アサリは、体にこもった余分な熱を冷ましながら、水分代謝や血の巡りを整える働きをもつ食材です。中医学では「寒性」とされ、体の中の炎症やイライラ、のぼせのような状態を落ち着かせると考えられています。また、心を穏やかにする作用もあり、体だけでなく精神面にもやさしく寄り添います。さらに、血を補う働きもあるため、疲れやすい愛犬や元気がないときのサポートにも役立つとされています。やさしく整える力を持つ、バランスのよい食材です。

   帰経について

アサリは、肝・腎・脾・胃に作用するとされます。これは、血の巡りや解毒を担う「肝」、生命力や成長に関わる「腎」、消化吸収を担う「脾」と「胃」に働きかけ、全身のバランスを広く整える性質をもつという意味です。

   五性について

アサリは「寒」に分類されます。体に余分にたまった熱を冷ます性質があるとされ、熱っぽい状態や炎症が気になるときに向いていると考えられています

   五味について

アサリは「甘(かん)」と「鹹(かん)」の二つの味を持ちます。甘味には体を補い、緊張をゆるめるはたらきがあるとされます。鹹味はしょっぱい味のことで、硬いものをやわらかくしたり、塊を散らしたりするはたらきがあると考えられています

   効能について

体の余分な熱を冷ます
清熱とは、体の中にたまった余分な熱を取り除くはたらきのことです。愛犬が目やにが多い、口臭が気になる、皮膚が赤っぽいといった熱のサインが見られるとき、体の余分な熱を冷ます食材が助けになると考えられています。アサリはこの作用のはたらきを持つ代表的な食材のひとつです

痰を取り除く
体にたまった不要な水分や老廃物がドロドロした状態を「痰」と呼びます。これをやわらかくして排出しやすくするのがこの作用です。アサリの鹹味がこの痰を散らすと考えられています

体の余分な水分を流す
体内の余分な水分を体の外に出すはたらきのことです。むくみや水分が偏って滞っているとき、この作用の食材が助けになるとされています。アサリは腎・脾・胃にはたらきかけながら、水分の流れをスムーズに整えてくれると考えられています

精神を安定させる
精神を安定させ、気持ちを落ち着かせるはたらきのことです。中医学では「心(しん)」が精神活動と深く関わると考えられており、この作用の食材は不安やイライラ、落ち着きのなさが気になる愛犬に向いているとされています。アサリは肝にはたらきかけながら、精神を安定させるの効果を持つと言われています

こもった火の熱を鎮める
体の中でとくに強くこもった熱、いわゆる「火」の状態を鎮めるはたらきです。「体の余分な熱を冷ます」働きよりもさらに強い熱に対応するイメージです。目の充血、強い口臭、皮膚の強い炎症などが見られるときに関係することがあります
体の中でとくに強くこもった熱、いわゆる「火」の状態を鎮めるはたらきです。「体の余分な熱を冷ます」働きよりもさらに強い熱に対応するイメージです。目の充血、強い口臭、皮膚の強い炎症などが見られるときに関係することがあります

   薬膳とは別の角度から…

アサリは鉄、ビタミンB12、亜鉛などを豊富に含み、貧血予防やエネルギー代謝に関わります。また、タウリンも含まれ、体の機能維持を助ける栄養価の高い食材です。

効能グループ

調理方法

1

あさりを砂抜きします。

2

多めの水にあさりを入れ、殻同士をこすり合わせるように洗う。その後、水でさっとすすぎ、水気をしっかり切る。

3

鍋に水とあさりを入れて中火よりやや弱めで火にかける。

4

お湯が沸いてきたらアクをすくい取りながら、殻が開くまで約5分ほど加熱する。

ポイント

アサリの身は、消化しにくいので、汁をあげる(半分くらいに薄めて使ってみて、様子を見ながらあげて下さい)
アサリの身もあげても良いですが、消化しにくいので、細かく切ってからあげて下さい。
※あさりは加熱しすぎると身が硬くなるので注意が必要です。

春のアサリは、血を作る。と言われています。
「寒」なので、体が冷えているコには合いません。

主な栄養素(分量 100 g あたり)

成分名
<貝類> あさり 生
カロリー
29kcal
ナトリウム
800mg
カリウム
140mg
リン
82mg
カルシウム
66mg
【参考文献】
・一般社団法人 日本中医食養学会(2019)『食症状の知恵 薬膳食典 食物性味表』株式会社 燎原書店発行.
・文部科学省.“日本食品標準成分表(八訂)増補2023年”.
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