帰経
腎、脾
五性/五味
温/甘
   気血を補い、生命力の土台を支えてくれるカツオ

カツオは、昔から日本の食生活で親しまれてきた魚のひとつで、薬膳でも体を温めながら元気を補う力がある食材として扱われます。中医学では、気と血という生命活動のエネルギーを満たしてくれる働きがあると考えられ、愛犬の体力が落ちたときや、冷えからくる不調が気になる時期に向いています。さらに胃腸のはたらきを整える性質があり、食欲をサポートしながら、体の巡りを良くする働きも期待できます。普段のごはんに無理なく取り入れやすく、薬膳初心者の方にも扱いやすい食材だといえます。

   帰経について

カツオは腎と脾の2つに働きかけます。「腎」は生命力の源であり、成長・発育・生殖・老化を司る重要な臓器。「脾」は消化吸収や筋肉の生成を担当しています。つまり、カツオは愛犬の生命エネルギーの根本と、それを支える消化機能という、体の基盤となる部分をサポートしてくれる食材なんですね。

   五性について

カツオは「温性」に分類されます。これは体を穏やかに温める性質。熱性ほど強くないので、バランス良く取り入れやすいんです。冷え性の愛犬、元気がない子、お腹が弱い子に適しています。寒い季節や、体が冷えやすい体質の子には特におすすめ。温めながら滋養するという性質が、カツオの大きな魅力です。

   五味について

カツオは「甘味」を持つ食材。中医学では、甘味には「気を補う」「緊張を取り除く」「胃腸の働きを高める」という作用があるとされています。体に栄養とエネルギーを与え、筋肉を緩め、全体のバランスを整えてくれる味なんですね。カツオの旨味と甘味は消化もしやすく、愛犬にとって受け入れやすい味わいです。

   効能について

胃の働きを整える
胃の働きを活発にして、消化機能を高める作用です。食欲がない、胃もたれがする、消化が遅い、吐き気があるといった症状に。カツオは胃を温めて機能を正常化し、消化をスムーズにしてくれます。特に冷えによる胃の不調に効果的。温性と甘味の組み合わせが、胃に優しく働くんです。胃が元気になると、食欲も戻り、栄養をしっかり吸収できるようになります。高タンパクで消化吸収も良いので、胃腸が弱い愛犬にも適しているんですよ。

冷えを改善する
体内の寒気を追い払って、冷えを改善する作用です。カツオの温性の特徴を表す効能です。体が冷える、冷えるとお腹を壊す、寒がる、動きが鈍いといった症状に。カツオは体を温めることで、冷えによる様々な不調を改善してくれます。特に内臓が冷えて起こる消化不良や下痢に効果的。腎と脾の両方を温めることで、体の芯から冷えを取り除いてくれるんです。寒い季節や、冷房で体が冷えやすい愛犬には心強い味方。温かさが戻ると、体全体の機能も活性化するでしょう。
体の源となる力を養う
命エネルギーの源である「精」を増やして、成長・発育・生殖機能を高める作用です。活力不足、成長が遅い、生殖機能の低下、早期老化の兆候といった症状に。カツオは腎に働きかけて精を補充し、生命力を高めてくれます。精は生まれ持った生命エネルギーで、消耗すると老化が進むため、精を補うことは若々しさを保つことにもつながるんです。成長期の子犬のサポートや、シニア犬の老化予防に適しています。継続的に取り入れることで、生命力の根本から体を元気にしてくれるでしょう。

気を補う
生命エネルギーである「気」を補充して、元気を取り戻す効能です。疲れやすい、動きたがらない、すぐに息が上がる、声に力がない、病後で体力が落ちているといった状態に。カツオは脾の働きを高めることで気を作り出し、全身に活力を届けてくれます。虚弱体質の改善や、日々の体力維持に継続的に取り入れたい食材。温めながら気を補うので、冷えと虚弱の両方を抱える愛犬に最適なんです。高タンパクで栄養価も高く、効率的に気を補給できますよ。

血を補う
血液を増やし、質を高める効能です。貧血や栄養不足に働きかけます。貧血気味、顔色が悪い、疲れやすい、被毛の色が薄い、爪が弱いといった症状に。カツオは脾と腎の両方に働きかけることで、血を生成し全身に届ける力を高めてくれます。鉄分やタンパク質などの栄養素も、血液の材料として優れているんです。出産後や病後の回復期、貧血傾向のある愛犬に心強い味方。血が充実すると、体全体に活力が戻り、被毛にも艶が出てきます。温性の性質と合わせて、血行も促進してくれるんですね。

消化器全体の機能を整える
腸と胃の働きを調和させて、消化器全体の機能を整える作用です。お腹の調子が不安定、下痢と便秘を繰り返す、食欲にムラがある、消化不良といった症状に。カツオは脾を温めて補うことで、腸胃のバランスを整えてくれます。消化器を温める作用と、栄養を補う作用の両方が働くことで、腸胃の機能が正常化するんです。特に冷えやストレスによる消化器トラブルに効果的。腸胃が整うと、栄養吸収も良くなり、体全体の調子も上向いてくるでしょう。

   薬膳とは別の角度から…

カツオは良質なタンパク質が豊富で、ビタミンB群、鉄分、タウリンも多く含まれています。筋肉の維持、エネルギー代謝のサポート、貧血予防、疲労回復に優れた、栄養価の高い食材です。

効能グループ

調理方法

1

煮る/蒸す/焼く(焼く場合は蒸し焼き推奨)

ポイント

体を温める食材ですが、お肉よりは温める力が弱いです。温めるのが気になる場合は、冷ます食材と組み合わせると良いですよ。沢山の効能を持つお魚です。是非、使ってみて下さい!※書籍によっては、「平」のお魚です。

また、カツオのたたきは、体の潤いを考えると、まわりの焼いている箇所は、取り除いた方が良いですよ!

主な栄養素(分量 100 g あたり)

成分名
※春獲り 生の場合
 
カロリー
108kcal
たんぱく質
25.8g
カリウム
430mg
リン
280mg
【参考文献】
・一般社団法人 日本中医食養学会(2019)『食症状の知恵 薬膳食典 食物性味表』株式会社 燎原書店発行.
・文部科学省.“日本食品標準成分表(八訂)増補2023年”.
※その他、主な参考文献はこちら
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