帰経
心、脾、胃
五性/五味
寒/苦
   愛犬の夏を支える緑の宝物!

人間の夏バテ対策として有名な苦瓜ですが、中医学では古くから「暑気を払う薬」として重宝されてきました。
最近、愛犬が夏になると元気がなくなったり、食欲が落ちたりしていませんか?それ、もしかすると体に熱がこもっているサインかもしれません。苦瓜は、そんな愛犬の体を内側から冷やし、元気を取り戻すお手伝いをしてくれるんです。

   帰経について

苦瓜は 心・脾・胃 に働きかけるとされます。
心の熱を冷まし、脾胃のはたらきを整え、体の中心のバランスを支えるイメージです。

   五性について

五性は 寒性。
体の余分な熱を冷まし、こもった熱による不快感を落ち着ける方向に働きます。

   五味について

五味は 苦味。
中医学では、苦味には「熱を冷ます」「乾燥させる」「体の余分なものを降ろす」という作用があるとされています。体内の湿気や熱を取り除き、体をすっきりさせてくれる味なんですね。

   効能について

 ◾体の不要物を外へ導く
体に入った毒素や、体内で発生した有害物質を和らげ、排出する働きです。現代でいうデトックスに近い概念ですね。
体の中をお掃除して、すっきりとした状態に導いてくれるんです。特に湿気が多い時期や、食べ過ぎた後のデトックスにも良いですよ。
皮膚トラブルが多い愛犬、体臭が強い子、アレルギーを抱える愛犬、暑い時期に体調を崩しやすい子。こういった場面で、苦瓜は体の解毒を優しく助けてくれる食材なんです。

心を穏やかに
「心(しん)」は血を巡らせ、精神や気持ちの安定も担う場所です。そこに熱がこもると、落ち着かない、イライラ気味、眠りが浅いなどのサインとして現れることがあります。ゴーヤはこの心の熱をやさしく冷まし、精神面のバランスも整える助けになります。

目の健康を守る
目の健康をサポートする作用です。中医学では、目と肝臓は深く関係しています。
目やにが多い、目が充血している、涙やけが気になる愛犬に。苦瓜は目の炎症を抑え、クリアな視界を保つ手助けをしてくれます。体の熱が目に上がって起こるトラブルに、特に効果的なんです。

暑さによる不調を和らげる
「暑邪(しょじゃ)」と呼ばれる夏特有のストレスは、だるさ、食欲不振、気力の低下などを引き起こします。ゴーヤはこれを取り除く食材として知られ、体の熱気を逃がし、気を補いながら、暑さによる疲れをやさしく落ち着かせてくれます。

腫れや炎症を抑える
炎症による腫れを抑える働きです。体の余分な熱と湿気を取り除くことで、腫れを軽減します。
皮膚の赤みや腫れ、関節の炎症などに作用します。熱を持った腫れに対して、苦瓜の冷やす力と苦味の降ろす力が効果を発揮するんですね。

胃の働きを整える
胃の働きを活発にして消化を助ける効能です。
食欲不振、胃もたれ、軟便などの消化器トラブルに。苦瓜は胃腸の熱を取り除きながら、機能を正常化してくれます。ただし、冷やす力が強いので、お腹が弱い子には少量から試すのがおすすめです。

   薬膳とは別の角度から…

ビタミンCを多く含むお野菜で、普通は熱に弱いビタミンCですが、苦瓜のビタミンCは、熱に強いのが特徴的なお野菜です。炒めたり煮たりしても、ある程度、ビタミンCがしっかり残ります。

ビタミンCは、体の中で発生する「サビ」を防ぐ力があり、体の「サビ止め」になります。

   体の「サビ」って?

「呼吸」や「ストレス」「紫外線」などで、活性酸素(かっせいさんそ)という悪い物質が体の中にたまってきます。これが細胞をキズつけたり、老化を早めたり、病気のもとになると言われています。
まるで鉄がサビてボロボロになるようなイメージです。

ビタミンCにはこの活性酸素をおさえて、体を守る働き=抗酸化作用があります。

   つまり、ビタミンCは…
  老化を防ぐ
  肌をきれいに保つ
  病気になりにくい体をつくる
  がん・生活習慣病の予防にもつながる

といった働きがあるんです。

効能グループ

調理方法

1

スプーン等でワタを取り、消化しやすい大きさに細かく切る

2

灰汁を取りながら、煮る

3

又は、蒸す/焼く(焼く場合は蒸し焼き推奨)

ポイント

普段から暑がりで、夏になると元気がなくなりがちな愛犬には積極的に、反対に寒がりで冷え性気味の愛犬には慎重に与えることが大切です。「寒」の性質が強いため、冷え性の愛犬や体調不良の時、また寒い季節には控えめにするか、体を温める食材と組み合わせることをお勧めします。

注意点

赤く熟した苦瓜は、血を補う効能となり、効果が変わりますが、沖縄(私のまわり)では、赤く熟した苦瓜は、あまり食べる習慣がないので、おススメしません。

主な栄養素(分量 100 g あたり)

成分名
カロリー
15 (kcal)
脂質
0.1g
ナトリウム
1 mg
カリウム
260 mg
炭水化物
3.9 g
タンパク質
1 g
マグネシウム
14mg
β-カロテン
210μg
【参考文献】
・一般社団法人 日本中医食養学会(2019)『食症状の知恵 薬膳食典 食物性味表』株式会社 燎原書店発行.
・文部科学省.“日本食品標準成分表(八訂)増補2023年”.
※その他、主な参考文献はこちら