白菜は愛犬の体を穏やかに整えるデトックス野菜
冬の鍋料理でおなじみの白菜。実は中医学薬膳の世界では、愛犬の体の熱を優しく冷まし、巡りを整えてくれる優秀な食材なんです。熱を冷まし、イライラを鎮め、余分な水分を流し、お通じを助け、胃を養う。白菜には、愛犬の体を穏やかに整える力が詰まっています。
白菜は中医学で「平性」に分類される野菜で、体を温めも冷やしもしない、とても穏やかな性質を持っています。味わいは「甘味」で、胃・大腸・肝・腎・膀胱という5つの臓器に働きかけるんです。
熱を冷まし、イライラを鎮め、余分な水分を流し、お通じを助け、胃を養う。この5つの効能が揃っていて、しかも5つもの臓器に作用する。守備範囲の広さが、白菜の大きな特徴といえますね。
水分が豊富で低カロリー、クセがなくて食べやすい。だからこそ、薬膳初心者の方にも、毎日のごはんに取り入れやすい食材なんです。
帰経について
白菜は胃・大腸・肝・腎・膀胱の5つに働きかける、守備範囲の広い食材なんです。
胃は食べ物を受け入れて消化する場所。胃の調子が悪いと、食欲が落ちたり、吐き気が出たりします。
大腸は不要なものを排出する臓器です。大腸の働きが乱れると、便秘や下痢といったお通じのトラブルが起こります。
肝は気の巡りを調整し、血を蓄える臓器。肝が乱れると、イライラしやすい、気が詰まる、といった症状が現れます。
腎は水分代謝に関わり、生命エネルギーの貯蔵庫でもあります。腎が弱ると、排尿トラブルやむくみが出やすくなるんです。
膀胱は尿を溜めて排出する臓器です。膀胱の働きが乱れると、頻尿や排尿困難といった症状が現れます。
白菜はこの5つの臓器に同時にアプローチして、消化器系を整え、水分代謝を助け、気の巡りを良くしてくれる。まさに体全体のバランスを整える万能野菜といえるでしょう。
五性について
白菜は真ん中の「平性」に属するんです。
平性の食材は、体を温めも冷やしもしない、とても穏やかな性質。どんな体質の愛犬にも、どんな季節にも使いやすい、まさに万能選手なんですね。
冷え性の愛犬にも、熱っぽい愛犬にも、どちらにも負担なく与えられます。冬でも夏でも、季節を気にせず活用できる。これが白菜の大きな魅力の一つです。
体質や季節に神経質にならなくていいので、毎日のごはんに継続的に取り入れられますよ。薬膳を始めたばかりの方が、食材選びで迷った時に「平性」を選ぶのは、とても理にかなった判断。白菜はその代表格といえるでしょう。
五味について
白菜は「甘味」を持つ食材なんです。
甘味は体を穏やかに補い、緊張を和らげる働きがあります。特に脾胃に作用して、消化吸収の力を高めてくれるんです。
甘味の食材は、愛犬にとって受け入れやすく、体に優しい味わい。白菜の淡白で優しい甘味は、胃腸に負担をかけずに栄養を届けてくれます。
クセがなくて食べやすいので、野菜が苦手な愛犬でも受け入れやすい。これも白菜の大きな魅力なんですね。
効能について
体にこもった余分な熱を冷ます働きです。白菜は平性ですが、水分が豊富なので、穏やかに体の熱を冷ます効果があるんです。
体に熱がこもると、興奮しやすい、目が赤い、口臭が強い、皮膚が赤い、便が硬い、尿が濃いといった症状が現れます。
白菜の清熱作用は、こうした熱の症状を優しく鎮めてくれる。強く冷やしすぎないので、安心して使える食材なんです。
体に熱がこもりやすい愛犬、興奮しやすい子、皮膚が赤く炎症がある子、暑い季節に体が熱っぽくなる愛犬に、白菜は体の熱バランスを整える手助けをしてくれるでしょう。
イライラや落ち着きのなさを鎮める働きです。精神的な不安定さや焦燥感を意味するんです。
体に熱がこもったり、肝の気が詰まったりすると、愛犬は興奮しやすくなったり、そわそわしたり、夜に落ち着かなくなったりします。
白菜は肝に働きかけて気の巡りを整え、体の熱を冷ますことで、精神を穏やかに整えてくれるんです。
環境の変化でストレスを感じやすい愛犬、興奮しやすい性格の子、夜に落ち着かない愛犬に、白菜は心の安定をもたらす優しいサポート役になってくれるでしょう。
体に溜まった余分な水分を尿として排出する働きです。体の水分代謝が滞ると、むくみや体の重だるさといった症状が現れるんです。
水分代謝に関わる臓器は、主に腎と膀胱。白菜はこの両方の臓器に働きかけるので、水分代謝を整えるのが得意なんですね。
湿気の多い時期に体が重だるくなりやすい愛犬や、むくみが気になる子、心臓や腎臓に負担がある子にとって、白菜のこの作用は体の巡りを改善してくれる力になります。
余分な水分が流れることで、体が軽くなり、動きやすさも変わってくる。梅雨時期や、湿気が多い季節に特に活躍してくれる効能といえるでしょう。
腸の働きを整えて、お通じをスムーズにする作用です。便秘は愛犬にとっても辛いもの。体の中に老廃物が溜まると、様々な不調の原因になります。
白菜は大腸に働きかけて、腸を潤しながら、穏やかにお通じを促してくれるんです。水分と食物繊維が、腸の動きを助けて、便を柔らかくしてくれる。
便が硬くなりがちな愛犬、年齢とともに腸の動きが鈍くなってきた子、水分不足で便秘がちな愛犬に、白菜の通便作用は心強い味方になってくれますよ。
便秘が続くと、皮膚トラブルや食欲不振の原因にもなります。白菜で日々のお通じを整えることは、全身の健康維持にもつながるんです。
胃を養い、その働きを健やかに保つことを意味します。胃は食べ物を受け入れて消化する、消化器系の入り口なんです。
胃の働きが弱ると、食欲不振、胃もたれ、吐き気、嘔吐、胃の不快感といった症状が現れます。
白菜は胃に直接働きかけて、その消化機能を優しく養ってくれる。水分が豊富で消化に優しく、胃の粘膜を潤して、胃液の分泌を適切に保つ手助けをしてくれるんです。
ストレスで食欲が落ちやすい愛犬、胃が弱くて吐きやすい子、食べムラがある子、胃腸が敏感な愛犬に、白菜は胃を優しく育ててくれる頼もしい食材といえるでしょう。
薬膳とは別の角度から…
薬膳の視点だけでなく、栄養学的にも白菜は優秀な食材なんです。
・主な栄養素は水分と食物繊維で、消化を助ける
・カリウムを多く含み、体内の余分な水分や塩分を排出する
・リンを少量含み、骨や歯の健康をサポートする
・抗酸化作用のあるビタミンCが豊富で、免疫力を保つ
・シュウ酸は少なく、腎臓への負担が少ない
白菜は低カロリーで、ダイエット中の愛犬にも安心して与えられます。ただし、水分が多いので、与えすぎると軟便になることもあるので、適量を守ってくださいね。
中医学の効能と栄養学の知見、両方の視点から見ても、白菜は愛犬の健康を穏やかに支える理想的な食材といえるでしょう。
